ハナモミジ

ハナモミジ

生産者訪問 @かみだね繚花さん

甘い香りが心地よく、鈴なりの小さなお花がかわいいネメシア。
パンジーやビオラが溢れる今の時期にあると嬉しいですよね!

かみだね繚花さんのネメシアは、根鉢ちを落とすブリコラージュフラワーにも使いやすい、しっかりした茎。
自信を持っておすすめできるので、最近では、私たちが今年始めた「farm to B 卸販売サイト」で他のお花屋さんにもご紹介しました。


 

かみだね繚花さんがあるのは、鳥取県北栄町の山道を登った丘の上。
丘陵地になっているこの地域は農業が盛んのようで、通り道には美味しそうなトマトが鈴なりに!

・・・思わず、花より団子気分になってしまいました笑。

今回、農園をご紹介いただいたのは、副社長をされている村岡宏朗さん。
わかりにくいだろうからと、お忙しい中、近くまで迎えにきていただきました。

「8年前に、弟が継いで先に花農家をやっていたんです。
僕はそれまでホテルに勤めていたのですが、コロナ禍でサービス業界が厳しくなってきたときにスカウトされました。」

どうりで、スマートなおもてなし!
今回はお兄さんにご案内いただき農園を見学します。
(とてもお若いですが、敬愛を込めてお兄さんと呼ばせていただきました!)


 

ーこんなに種類があると、品種の名前を覚えるのが大変そうですね。

「今、一生懸命覚えてますよ。」

ー水やりも難しいって言いますし。

「やっぱり”観察すること”なんですよね。それと自分が持っている引き出しを合わせて。
天気もあるし、風も影響するし。難しいですよね。
水やりはずっと考えて、工夫してやっていかないといけないです。」

ーホテル勤めで接客業をされていたから。
”しっかり相手を観察する”というのは、共通するものがあるかもしれないですね。

「そうかもしれないですね。植物は植物で、面白いところがたくさんあります。」



 

ー全部で何棟くらいハウスはあるんですか?

「22、3棟くらいかな?
露路栽培もしていて、今の時期は葉牡丹ですね。」

 

道路を挟んだ隣は、広い露路を艶やかな葉牡丹が彩っていました。

かみだね繚花さんは、農園中心となっているご兄弟に加えて、ご両親、
社員さんやパートさんも含めて15名ほどで生産されています。

「今年の秋に、50メートルハウスを5棟建てたのに伴って、人員を増やして取り組んでいます。」

今年建てているから、ハウスがきれいとおっしゃいますが、、

ーハウスはどこもスッキリ整理整頓されていてきれいですね。ハウスの間も雑草もほとんどないですし。

「みんなきれいに使ってるからかな?整頓しないと作業もしにくいですもんね。
植物も出荷し終わった後に整頓しなかったら、無駄に水やりの時間もとられますし。
出荷の時に苗を集めてくるのも大変ですしね。」

 

そんな細いところからも、みなさんの丁寧な仕事ぶりが伺えます。

 

試行錯誤しながら続ける挑戦

かみだね繚花さんは、多肉植物の生産もされています。

ー多肉植物の生産も昔からされてるんですか?

「10年くらい前からですね。」

ちょうど、スタッフさんが手のひらに乗るような、かわいらしい寄せ植えを作っていました。

ーかわいい寄せ植えがいっぱいですね。 

「寄せ植えを販売したいけれど、なかなか手間も時間もかかるので作れないというお花屋さんやホームセンターさんもいらっしゃって。
こちらから見てもお花屋さんは忙しいですよね。
そういう方向けに、寄せ植えになっているものを用意しているんです。」

ー生産者さんが発根した苗で作ってくれるから安心ですね。

 


 

ー育種はしていないんですか?

「うちも交配品種を作ったらって言われるんですけど、一般流通してるものがかわいいから。それよりいいものができる気がしなくて。」

ー10年はかかるって言いますものね。

「ビオラの育種、実は昨年少しやってみたんですよ。
少し場所があったらできるから、やってみたら?って言われて。」

 

なんと、育種にもチャレンジを!
自分の手で新しいお花が生み出されるなんて、育種はロマンがありますよね。
いつか、かみだね繚花さんオリジナルの品種が誕生するかもしれません。


ーこうやってハウスを見て回ると、いろんなことにチャレンジして、いろんな品種を育てていることが分かります。

「父の代、僕たちが子供の時は、春ならペチュニア、秋ならパンジーと、ひとつの品種をたくさん作っていたんです。
ただ、今はそのころと比較して花壇苗も多様化が進み、沢山作っても価格が思うように付かないこともあります。
リスク管理も踏まえ、小ロットで試しつつ、種類を増やしているところです。」

 

ハウスを回りながら、ひとつひとつ丁寧に教えていただくお兄さん。
今年初めて生産し始めた品種も多くありました。
そして、なんとビオラの育種も!

試行錯誤しながら、新しいことにチャレンジを続ける若い生産者の姿がありました。

 

地域への取り組み

 

ーそういえば、”おだいば市場”って、よくインスタグラムで出てきますね。

「おだいば市場は直売所なんです。
お台場っていうのは、江戸時代の終わり頃に外国船を打ち払うための大砲があった場所をお台場っていうんです。
日本各地にありますよね。」

ー直売所のことなんですね!いつもラインナップをストーリーズであげていらっしゃいますもんね。
近所の方が買いにこられるんですか?

「近所の方もですけど、観光客の方も多いんですよ。
生産者なので、生き生きした花を常に出せるのが武器になっています。」

 

インスタグラムには寄せ植え教室をされている様子も。
直売所も寄せ植え教室も、ハウスから届く生き生きとしたお花をたっぷり使える、地域の憩いの場になっているのですね。

 

二人三脚で届ける花

 

ー今は、ご兄弟2人に代替わりにされてるんですね。

「僕は去年から入ってきたばかりなので、自分が入ってきて何か変わったことはないと思いますが。
弟の作業量を分担することで、弟が生産管理に集中できたり、市場のフェアへ行ったりできるようになりました。」

ー任せる人がいないと、安心して外出できないですもんね。

「ずっと1日中水やりしていないといけない、となると、どうしても手が回らなくて、植物の状態や品質が下がっていってしまう。そういった部分を僕が分担していければ。」

ーいいですね。兄弟で協力し合えて。

 

ー私たちも生産者さんのエピソードやこだわりを伺って、お客さまにストーリーも含めてお花を紹介したくて。

「そうすると、血が通った商売になってきますよね!
生産者は生産に手一杯なところもあって、なかなか自分たちの魅力や価値を客観的に見るのが難しいところがあります。
でもこうして訪問して頂くことで、それが言語化されて伝わっていく。
これはとても有難いことです。」

 

謙遜されるお兄さんでしたが、話をお伺いするほど、
”弟さんのサポートになれば”という優しい気持ちがひしひしと伝わりました。

兄弟二人三脚の歩みは、始まったばかり。
若い生産者が頑張る姿は応援したくなりますね!
これからの発展が楽しみな生産者さんです。

 

(秋田緑花農園 はんちゃん)

 

かみだね繚花株式会社
インスタグラム @kamidaneryoka

 

 

2023.12.23

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